◆Vテールミキサー活用法◆

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●DMDコントローラー
 自動車は、前輪の向きを変える事で進行方向を変えています。船舶は舵の向きを変えて進行方向を変えています。では、戦車やブルドーザーなどのキャタピラで走行する車両の場合はどうでしょう?これらの車両では、進行方向を変えるときは左右のキャタピラの回転速度を変えて、向きを変えています。

 模型でこの動きを再現するには、左右のキャタピラそれぞれに駆動用のモーターを用意し、そのモーターを制御するアンプをつなぎます。左右のモーターの制御にプロポの左右にある縦スティックを割り当てると、左右のスティックの倒し具合がモーターの回転速度となり、車両の走行を制御する事が出来るようになります。この方法はキャタピラを用いた車両だけではなく、2軸のスクリューを持つ船舶や双発の飛行機などにも用いる事が出来ます。

 ただし、この方法ではプロポの縦スティック2本をアンプの制御に使う事になり、潜水艦や飛行機などでは横舵やエレベーターの操作が出来なくなり、操作上の不具合が出てしまいます。それに2chや3chなどのプロポでは操作が出来ません。そこで用いられるのが、DMD(Digital twin Motor Differential)コントローラーと呼ばれる回路になります。この回路はプロポのスロットルとラダーのチャンネルをミキシングさせて、2つのモーターの差動として出力します。

今回実験のベースに使った、トイラジの戦車。
1/24とかなりの大きさです。

 『2つの入力をミキシングし2つの出力とする』と来てピンと来ませんか?そう、Vテールミキサーが使えるのです。受信機のスロットルにVテールミキサーのエレベーターを、受信機のラダーにVテールミキサーのエルロンを接続し、アンプ2つをVテールミキサーへつなぎます。下の動画は実際に戦車のモデルに受信機、Vテールミキサー、アンプ2つを搭載し、操縦しているところです。

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何の問題も無く、戦車を操縦出来ています。スロットルを中立の状態でラダーを左右に倒すと超信地旋回をする事も出来ます。

2つのモーターがそれぞれアンプにつながり、アンプはVテールミキサーを通して受信機へつながっています。 BEC付きのアンプを2つ使う時には、必ず片方のアンプのケーブルの+端子を抜いておきます。抜いた端子は他の部品と接触しないようにビニールテープでくるむか収縮チューブで絶縁しましょう。





 下の動画では、2つのモーターに付けた歯車を2軸のスクリューに見立ててVテールミキサー仕様のDMDで制御してみました。

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 右のスクリューが時計回り、左のスクリューが反時計回りで前進とすると、反転すれば後進になります。右のスクリューの回転が弱くなれば右へ旋回し、左のスクリューの回転が弱くなれば左へ旋回します。超信地旋回の時には、左右のスクリューは同じ方向へ回転します。

先の戦車に使ったユニットそのままで、モーターを換えただけです。

 このDMDを2軸推進の船へ使えば舵無しでも旋回する船が作れますし、受信機のラダーの出力をY字ハーネスでVテールミキサーとラダーサーボとに分岐させれば、縦舵の操作に伴って左右のスクリューの回転速度を変更でき、より小回りを効かせる船が作れるようになります。

 Vテールの時と同じで、コンピュータ・プロポのミキシング機能を使えばDMDの代わりと出来ます。Vテールミキサーを使ってDMDとするのが真価を発揮するのは、2chや3chのプロポで2軸推進の制御をさせたい時かもしれません。

使用機材
受信機 JETI REX5 plus
アンプ Quantum Micro Reverse
MC12(KOG RC回路試作室)
Vテールミキサー GWS V-TAIL MIXER

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[2008/12/03:雲山]