◆Vテールミキサー活用法◆

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●Vテールミキサーとは
 飛行機の尾翼は通常、垂直に立っている垂直尾翼(ラダー)と水平な水平尾翼(エレベーター)とで構成されています。この場合、各舵へのリンケージは、ラダー用とエレベーター用にそれぞれサーボを用意し、プロポのラダー、エレベーターのスティックとそれぞれのサーボが対応するように受信機とサーボを接続します。

 ところが、グライダーなどにはV字型をした尾翼を持つものがあり、Vテール機と呼ばれます。この場合のリンケージでは、左右の2枚の動翼にそれぞれサーボが繋がるところまでは通常の飛行機と同様ですが、このままではプロポのラダーとエレベータのスティックを操作しても、2枚の動翼を動かせるというだけで、それがラダーとしての働きやエレベーターとしての働きをさせる事ができません。そこで考え出されたのが、プロポのラダー、エレベーターのスティックの動作と2つのサーボの動作を協調させる(ミキシングと言います)『Vテールミキサー』という回路になります。

 受信機のラダーとエレベーターのコネクタにVテールミキサーの対応するケーブルを接続し、2つのサーボをVテールミキサーへつなぐ事で、スティックの動きと動翼の動きを同調させることができる様になります。

GWSのVテールミキサーです。国内で手に入りやすいものの一つで、非常にコンパクトです。 Vテールの動作説明のために作った模型です。2つのサーボがそれぞれの動翼とリンケージされています。

 実際にVテールの動翼がどう動くか、下の動画をご覧下さい。

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 エレベーターアップの時に、動翼は上げ舵になり、エレベータダウンで下げ舵に、ラダーを左に切れば左へ旋回し、ラダーを右に切れば右へ旋回します。

 ちなみに、一部のコンピュータ・プロポではミキシングの機能を持つものがあり、Vテールミキサーを使わずにVテールの操作が可能となっています。


●X翼用ピッチコン
 潜水艦の艦尾にある舵は、垂直な縦舵と水平な横舵の2種類あり、現在の潜水艦では十字型をしています。縦舵は潜水艦の横方向の動きを制御し、横舵は潜水艦の縦方向の動きを制御します。この時、縦舵用と横舵用のサーボがそれぞれの舵とリンケージされ、プロポの縦舵(ラダー)、横舵(エレベーター)用のスティックと連動しているのは飛行機の場合と同様です。

 ラジコン潜水艦では、縦方向の制御が難しいため、ピッチコントローラー(以下ピッチコン)を横舵のサーボにつなぎ、水平航行の補助とします。ところが、最近では海上自衛隊の『そうりゅう』やドイツ海軍の『U-Boat Type 212A』のように艦尾の舵がX字型に配置されたX翼を採用する潜水艦も増えてきましたし、SFモデルにもX翼のものがいくつもあります。X翼に使われる動翼はVテールと動作原理は同じで、全ての舵を上に向ける事で上げ舵、下に向ける事で下げ舵、左に向けて左旋回、右に向けて右旋回となり、ラダーとエレベーターの操作をミキシングして、2つのサーボへ伝える必要が出てきます。そうすると、横舵担当のサーボというのが無くなり、2つのサーボにピッチコンをそれぞれつながなくてはなりません。

 エンゲルからはX翼用のピッチコンというのも発売されていますが、Vテールミキサーとピッチコンとを組み合わせる事でX翼用のピッチコントロールが出来るようになります。方法は簡単で、受信機のラダーはVテールミキサーとそのままつなぎ、エレベーターチャンネルとVテールミキサーの間にピッチコンをつなぎます。そして、Vテールミキサーと2つのサーボをつなぎます。

受信機のエレベーターチャンネルとVテールミキサーの間にピッチコンを接続。

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模型を傾けると、ピッチコンにより動翼が制御されています。

 この動画ではVテールの形をしていますが、それぞれの動翼を延長してX字にしたのがX翼ですので、動作原理は同じです。ハルのピッチ方向の傾きによって、動翼が稼動しピッチの補正を行っているのを確認して下さい。

 艦首が下を向けば上げ舵となり艦首を上へ向けるよう動き、艦首が上を向けば下げ舵となり艦首を下へ向けるよう動きます。VテールやX翼を動かすだけならプロポでミキシングすれば済む事なのですが、この方法ではピッチコンがそれぞれのサーボに2つ必要になってしまいます。Vテールミキサーを使う事で、ピッチコン1つで済ますことが出来るのです。

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[2008/12/03:雲山]