◆水中編◆

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●水中モデルの防水

 受信機やサーボ、バッテリーなど、水に濡れて困るものを防水するのは水上モデルと同じですが、水中モデルの場合はハルが丸ごと水に浸かるため、防水に対する重要度は高くなります。その防水の仕組みにも色々な手法がある訳ですが、メカを防水する手法としては、大まかに分けて、(1)ドライハル(2) セミドライハル(3)ウェットハルの3種類があります。

(1)ドライハル
ハルをそのまま防水してしまう構造です。乱暴に言ってしまうと、密閉容器のタッパーなどの中にメカを積んだものと思ってください。内容積が大きくなると、浮力が大きくなりすぎてしまうため、比較的小型のモデルで使われます。

(2)セミドライハル
ハルの中に防水のメカ室を作り、その中に各種メカなどを収容します。水密室以外は水に浸かりますので、浮力の調整が比較的しやすくなります。多くの水中モデルで使われる方法です。

(3)ウェットハル
メカを個々に防水したり、防水ユニットとも言える構造をハルの中に収容し、その他は水に浸かります。防水ユニットはメカの収容のみの最小限の大きさしかないため、浮力は期待できず、別途浮力材が必要となります。内容積に余裕のある大型の水中モデルで使われる方法ですが、特異な形状のハルを持つSFモデルでも使われています。WTCと呼ばれる水密筒にメカを積む方法は、多くの水中モデルで使われています。

●動力の防水

 動力元となるモーターは、防水としたケースの中に納められ、モーターの回転はシャフトを通じてスクリューへ伝わります。このシャフトの防水を受け持つのがスタンチューブなのは水上モデルと同様です。水中モデルの場合は、水圧の影響を大きく受けるため水上モデルに使われるよりも、防水に気を使った作りになっています。

 最も単純な方法は、スタンチューブをただのパイプで作り、中にグリスを塗る方法です。長めのパイプを使う事で、それなりの防水効果はあります。パイプの中ほどの空間を大きくして、グリスの量を増やすことで防水効果が上がります。スタンチューブの前後にOリングやG4シールなどのシール材を使う方法は、防水効果が高い割りに軸抵抗が少なくなり、多くのモデルで使われる手法になります。

 ポンプとモーターとが一体になったポンプジェット推進機関では、モーターのシャフトがそのまま外部へ露出しているためこのシャフトの防水が肝心になります。スタンチューブのように長さが取れないため、Oリングをシールとしてグリスをケースに充填したり、灯油ポンプなどに最初から付属しているシール材を使ったりします。

 とても危険ではありますが、モーターをなんら防水せず水に浸けた状態で使う方法もあります。水没式とも言い、淡水では電気抵抗が大きくその損失は無視できるため、このようにしてモーターを使用する事は出来ますが、使用後に水気を良く乾燥させておかないとすぐに錆びて動かなくなってしまいます。


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