◆レベル 1/144 214型潜水艦(U-Boat Type 214)◆ |
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●外観 レベルから発売されている、「1/144 214型潜水艦」のプラモデルをRCへ改造しました。作者は筆者(雲山)です。実物はドイツのHDW社にて輸出用の潜水艦として建造されており、ギリシャ海軍と韓国海軍にて採用されています。推進機関として燃料電池を使用したAIP機関を採用しているのが特徴です。 全長45cmほどのモデルですが、容積には比較的余裕があるのでガスバラストシステムを仕込んでみました。 ![]() 単純な涙滴型や葉巻型とは違った、独特の艦影が見て取れます。 ![]() 上下ハルの固定は、艦首艦底部にてM3ビスで固定しています。このビスを外すと、ハルを上下に分割出来るようになっています。 ![]() スクリューはキット付属のものをキャストで複製し、使用しています(写真右側)。羽根の翼断面は若干整形した程度ですが、かなりの推力を出せるいいスクリューです。 ●内部メカ ![]() 上部ハルを外し、内部を見てみたところです。防水区画はセミドライハルとなっています。
艦首よりの内部構造になります。写真左は防水区画の前方で、ハルを固定するネジ部分が見えています。茶色と緑のコードはマグネットスイッチ用のリードスイッチにつながっています。艦底部には鉛のおもりが、上部ハルには浮力材が見えています。こうして下はより重く、上はより軽くする事で重心を下げて艦の姿勢を安定させています。 写真右は、前部防水区画内部の様子です。左が艦首、右が艦尾方向になります。右からベント弁/ブロー弁駆動用のサーボ、受信機(上)、マグネットスイッチ用のラッチングリレー(手前)が設置されています。
バラストタン周りの様子になります。内容積は20ml弱あり、自作のガスタンクには約6gのガスを注入できます。前部防水区画のサーボでベント弁の開放(写真右)とブロー弁の開放を行っています。
後部防水区画です。写真左は左が艦首側で、写真右は逆になります。艦首側からピッチコン、縦舵・横舵サーボ、モーターと配置されています。モーターはSTL JAPANの誉31(マブチ FF-050SK-11170)を使用しており、1/3に減速してスクリューを回しています。
防水区画の後方で、各舵へのリンケージとスクリューシャフトが見えています。スタンチューブは内径2mmの真ちゅうパイプに同3mm、同4mmの真ちゅうパイプを重ねて作ってあり、防水はグリスのみとなります。グリスさえきちんと入れてあればスタンチューブから浸水する事はほとんどありません。スクリューシャフトへの連結はゴムパイプです。リンケージシャフトは1.5mmのステンレス線を使用し、防水は釣りの浮き用止めゴムを使用しています。 ![]() 縦舵、横舵へのリンケージの様子です。 ![]() 電飾として左右の舷灯と艦尾灯の3つの航海灯へLEDを仕込んでいます。写真はその内部で、上部ハルの甲板下に各LEDへつなぐ抵抗を取り付けてあります。また、写真下方の防水区画内部壁面に小さなスライドスイッチの乗った基板が見えますが(バッテリーコネクタの下あたり)、このスイッチでLEDの明るさを2段階に調整できるようになっています。 ●調整 ![]() ガスバラストタイプのバラストタンクでは、ガスの消耗で浮力が変わってくるので入念に調整をする必要があります。このモデルの場合では、ガスタンクへガスを満杯にした状態でセイルの上部の水面と同じ高さになるように浮力を調整してあります。ガスを消費してくるとその分浮力が大きくなり、潜りにくくなるので、ガスが空になって浮上できなくなることはありません。 ●総括 ![]() この大きさの潜水艦でもバラストシステムを装備し、水中の機動性もまずまずです。水上走航時には縦舵の効きが極端に悪くなるのと、スクリューによる反トルクの影響でかなり艦が傾きますから、このタイプの艦は浮上時でも甲板が水面と同一になるくらいにしておくのが良いかと思います。そういった意味では、バラストタンクの容積はもう少し小さくても良かったかもしれません。
[2009/04/29:雲山]
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